パソコンが壊れて、何年もかけて整えた作業環境が一瞬で消えた…。そうならないために、Macの「タイムマシン」のようなバックアップをWindowsで作る手順を、荻窪・永福町のパソコン教室が解説します。
【Windows11】自動修復で
PCを修復できませんでした
先生〜!
パソコンが
起動しなくなりました…
何回再起動しても、
この画面に
戻ってきてしまって…
結局、すべて
一から作り直すことに
なりました。
それは大変でしたね。
データは
残っていましたか?
ファイルは
Googleドライブにあったので
無事でした。
でも、なくなったのは
ファイルだけじゃ
ないんです…
ほかに何が
なくなったんですか?
何年もかけて
少しずつ整えてきた
作業環境が、
全部です。
ソフトを1本ずつ
入れ直して、
ライセンスや
ログイン情報を探して…
細かい設定も、
全部やり直しですね。
どこの設定を
どう変えたかなんて、
もう覚えていません。
AIに何度も相談して
作り上げた仕組みも、
そのやり取りの履歴も、
全部消えました。
あれだけ
親しかったAIが、
また初対面の人に
戻ってしまいました…
【ChatGPT】はじめまして!まるちゃん。
これからなんでも相談してくださいね!
ツーカーな状態をつくるために
また一から
試行錯誤するのかと思うと、
頭が真っ白で…
それはつらいですね。
何年分もの積み重ねは、
数日では戻りません。
Macには
「タイムマシン」という
機能があって、
もし壊れても、一瞬で壊れる前の状態に
戻せるんです。
そんな神みたいな機能があるのですね。
Windowsにはないんですか?
はい、残念ながらないんです。
がっかり・・
でも、
なければ作ればいい!
という精神で、
今日はタイムマシンのような機能をWindowsでも
作ってみましょう。
えっ、
Windowsでも
作れるんですか!?
はい、似たような環境は作れます。
パソコンが壊れて本当に困るのは「ファイル」より「環境」
GoogleドライブやOneDriveに保存していれば、文書や写真などのファイルは守られます。ところが、パソコンを入れ直すと、次のようなものは全部やり直しになります。
- インストールしていたソフトと、Officeの認証
- メールの設定と、Outlookのフォルダの仕分け・ルール・署名
- プリンターのドライバーと、いつも使う設定
- 使いやすく整えたデスクトップやブラウザの設定
- AIに相談しながら作ってきた仕組みや、そのやり取りの履歴
作業環境は、何年もかけて「困ったら直す」「使いにくければ変える」を繰り返してできたものです。どこをどう変えたかは、ほとんど記録に残っていません。だから同じ状態に戻すのは、最初に作ったとき以上に大変です。ソフトを入れ直すだけで丸1日、細かい設定まで元どおりにするには数週間かかることもあります。
AIも同じです。使い込むうちに覚えさせた好みや決まりごとが消えると、あれだけ話が通じていたAIが、初対面の相手に戻ってしまいます。
Macの「タイムマシン」とは?Windowsには同じものがない
Macの「タイムマシン」は、外付けのディスクをつないでおくと、自動でバックアップを取り続けてくれる機能です。過去24時間分は1時間ごと、過去1か月分は1日ごと、それより前は1週間ごとに保存され、戻したい日時を選んで復元できます。
Windowsにも標準のバックアップ機能はありますが、主にファイルを守るためのものです。ソフトや設定まで丸ごと、日付を選んで戻せる仕組みは、自分で用意する必要があります。
Windowsは、
タイムマシンを
自分で組み立てる
ってことですね。
そのとおりです。
用意するものは
2つだけですよ。
Windowsでタイムマシンに近い環境を作るのに必要なもの
バックアップ用の外付けHDD
- 容量は、Cドライブの使用量の2〜3倍以上が目安です(何日分も保存するため)
- 机に置いたまま使う据え置き型を、バックアップ専用にします
- 毎日自動で保存するので、パソコンにつなぎっぱなしにしておきます
今回は4TBのHDDを使いました。パソコン上では約3.6TBと表示されますが、容量の数え方の違いによるもので、故障ではありません。
バックアップソフト「EaseUS Todo Backup」
EaseUS Todo Backup(イーザス トゥードゥー バックアップ)は、Windowsの中身を丸ごと保存し、決まった時間に自動でバックアップを取ってくれるソフトです。この記事では有料版(Home)の画面で説明します。無料版では、設定の項目が違う場合があります。
EaseUSでタイムマシンのような環境を作る設定
Cドライブを丸ごとバックアップする
バックアップする対象に「システム(OS)」を、保存先に外付けHDDを選びます。Windowsが入っているCドライブを、丸ごと「イメージ」として保存します。
「イメージ」って
なんですか?
Cドライブの中身を、
写真のように
丸ごと写し取った
大きなファイルです。
ソフトも設定も、
そのまま入っています。
だから、環境ごと
戻せるんですよ。
毎日20時・増分・7回ごとにフルバックアップ
次に、自動で実行するスケジュールを決めます。おすすめは次の設定です。
- 実行するタイミング:毎日20:00
- バックアップの方式:増分バックアップ
- 7回ごとにフルバックアップを作る
時刻は、パソコンの電源が入っていることが多い時間を選ぶと確実です。
「増分」と「フル」って
何が違うんですか?
アルバムにたとえますね。
フルバックアップは、
アルバムを1冊丸ごと
作ることです。
増分バックアップは、
前の日から増えた写真だけを
差し込むことです。
だから毎日の保存が
短く済みます。
じゃあ、
7回ごとのフルは
何のためですか?
差し込みばかり続くと、
途中の1回が読めないとき、
その先まで戻せなく
なるおそれがあります。
そこで7回に1回、
新しいアルバムを
1冊作って区切るんです。
スリープ中でも、電源が切れていても取りこぼさない
スケジュールの設定には、次の2つもあります。どちらもオンにしておきましょう。
- スリープを解除して実行:20時にスリープ中でも、パソコンを起こしてバックアップします
- 次回起動時に実行:20時に電源が切れていたら、次に起動したときにバックアップします
保存は60日・最初のイメージは残す・結合はオフ
最後に「イメージの保存設定」で、古いバックアップをどこまで残すかを決めます。
- 保存期限:60日…60日を過ぎた古いバックアップは自動で整理されます
- 最初のイメージを削除しない:オン…土台になる最初のバックアップを残します
- イメージ結合方式で保存:オフ…容量は節約できますが、そのぶん処理に時間がかかります。容量に余裕があるなら、安定を優先してオフにします
ただし、HDDが先にいっぱいになると、古いバックアップの残り方が変わることがあります。ときどき空き容量を確認しておくと安心です。
これで、
約2か月前まで
さかのぼれるWindowsの
完成です。
本当に
タイムマシンみたい!
Windowsが壊れたときは緊急USBから戻す
バックアップがあっても、Windowsが起動しなければEaseUSを開けません。そこで必要になるのが「緊急USB」です。
緊急USBって
なんですか?
Windowsが動かなくても、
EaseUSだけを動かせる
「非常口」のような
USBメモリです。
壊れてからでは
作れないので、
設定と一緒に
作っておきましょう。
ショップでUSBメモリ買ってきます!
緊急USBはEaseUSの機能で作れます。いざというときの戻し方は、次の流れです。
- 緊急USBを挿してパソコンを起動し、EaseUSの復旧画面を立ち上げる
- バックアップ用の外付けHDDをつなぐ
- 戻したい日時のバックアップを選ぶ
- パソコンの中のSSDへ復元する
たとえば今日20時のバックアップが取れていれば、明日パソコンが壊れても、今日20時の状態まで戻せます。なお、USBメモリから起動するには、電源を入れた直後に特定のキーを押す必要がある機種もあります。
ふつうに入れ直す場合と、ここまで違う
WordやExcel、メールも、
元どおりに
すぐ使えるようになるんですか?
凄い不安・・・
はい。
入れ直しも認証も
いりません。
Cドライブごと、
そのまま戻ります。
| ふつうに入れ直す | EaseUSのバックアップから戻す | |
|---|---|---|
| ソフト・Office | 入れ直して、認証し直す | 認証済みのまま戻る |
| メール | 設定し直し。過去のメールが消えることも | バックアップした時点のまま戻る |
| Outlookの仕分け・ルール・署名 | 作り直し | そのまま戻る |
| プリンター | ドライバーを入れ直して、つなぎ直す | そのまま戻る |
| デスクトップ・AIの設定など | 作り直し | そのまま戻る |
ただし、戻るのはバックアップした時点の状態です。その後に届いたメールや、後から変えた設定は戻らないことがあります。Googleドライブなどのクラウド保存も、あわせて続けましょう。
求めてたのはこれです!
入れ直しとは
大違いですね!
ハードディスクやパソコン本体が壊れた場合でも大丈夫?
ハードディスクが
壊れちゃった場合でも
大丈夫なんですか?
何が壊れたかで
変わります。
| 壊れたもの | どうなる? |
|---|---|
| パソコンの中のハードディスク(SSD) | ◎ 一番大丈夫なケース。新しいものに交換して戻せば、環境ごと元どおりになります。 今回の設定がいちばん力を発揮する場面です |
| パソコン本体(新しいパソコンに買い替え) | △ 環境を丸ごと戻すのは難しくなります。最初から入っていたOfficeは、新しいパソコンには移せません。ただし、バックアップから必要なファイルを取り出すことはできます |
万が一壊れても新しいSSD買えば元に戻せるって
ステキ!
月1回は「イメージをチェック」
EaseUSには、保存したバックアップがきちんと読める状態かを確かめる「イメージをチェック」という機能があります。バックアップは「ある」だけでは安心できません。月に1回くらい実行しておきましょう。
まとめ:約2か月さかのぼれる「Windows版タイムマシン」
MacのタイムマシンとWindowsの今回の設定を比べると、次のようになります。
| Macのタイムマシン | 今回のWindowsの設定 | |
|---|---|---|
| 保存するタイミング | 1時間ごと | 1日1回(20時) |
| さかのぼれる範囲 | ディスクの容量が許すかぎり | 約60日 |
| 準備するもの | 外付けディスク | 外付けHDD・EaseUS・緊急USB |
Macほど細かくは戻せませんが、「前の日の夜の状態」に環境ごと戻せれば、一から作り直す手間はほとんどなくなります。パソコンは、ある日突然動かなくなります。壊れてからでは間に合わないので、今のうちに準備しておきましょう。
次に壊れても、
もう一から
作り直さなくて
いいんですね!
設定に不安があれば、
荻窪・永福町の教室で
一緒に設定しましょう。
そういえば、
Windowsにも
過去にさかのぼって
戻す機能が
ありますよね?
それとは
どう違うんですか?
「システムの復元」ですね。
戻せるのは、
Windowsの設定や、
入れたソフト・ドライバーです。
たとえば、ソフトを入れたら
調子が悪くなったとき、
入れる前の状態に
戻せます。
書類や写真などの
ファイルは対象外です。
消してしまったファイルは
戻りません。
それに、戻すための記録は、
同じパソコンの
SSDの中にあります。
SSDが壊れたら、
記録も一緒に消えてしまいます。
| Windowsの「システムの復元」 | EaseUSのバックアップ | |
|---|---|---|
| 戻せるもの | Windowsの設定・入れたソフト・ドライバー | Cドライブ丸ごと(書類・写真・メールも) |
| 戻すための記録の置き場所 | 同じパソコンのSSDの中 | 別の外付けHDD |
| SSDが壊れたら | 使えない | 新しいSSDに戻せる |
戻せる範囲も、
置き場所も
違うんですね!
両方あれば、
もっと安心ですね。
パソコンのトラブル、まずはご相談ください。出張修理も対応しています。
