「パソコン教室の先生、投資を勉強してみた」第3回:iDeCoの基本——節税だけで決めない老後資金の制度

前回は、株・投資信託・ETF・債券の違いを整理しました。
インデックス型とアクティブ型の違いや、
NISAの枠ごとに買える商品が違うことも見てきました。
そのなかで、iDeCoでは個別株が買えず、
投資信託や定期預金など決められた商品から選ぶ

という話にも少し触れました。
今回はiDeCoをもう少し詳しく、
加入区分による掛金上限の違いや、
所得控除の仕組みなど、
申し込み前に確認しておきたい点を整理していきます。

seito
seito

x先生!
わたしわかりました!
iDeCoって結局のところ、
節税できるお得な制度
ってことですよね?

たしかに節税はiDeCoの大きなメリットですが、
節税効果だけで決めると、
あとで困ることもあります。
まず、加入区分や上限額など、
仕組みのほうから確認していきましょう。

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iDeCoの基本構造をもう一度確認する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、
自分で毎月お金を出し、
自分で運用方法を選んで、
老後資金を育てる制度です。
前回までに見てきたNISAと同じく、
運用で出た利益には税金がかかりません。
ただNISAと大きく違うのは、
原則60歳になるまで、お金を引き出せないという点です。
(iDeCoは原則として60歳から受け取れます。
ただし、通算加入期間が10年に満たない場合は、
受け取り始められる年齢が61歳から65歳へ後ろ倒しになります。)
住宅資金や教育資金のように、
途中で必要になるお金には使えないため、
「老後専用の資金」として考える必要があります。

seito
seito

60歳まで
引き出せないのは、
正直けっこう
不安になります。

ogita
ogita

その分、生活費とは
別のお金として
積み立てる必要が
ありそうですね。

はい。
生活費や急な出費に使うお金は、
NISAやふだんの預金で確保し、
iDeCoは老後資金専用と
分けて考えるのが基本です。

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また、60歳以降に受け取るときにも、
税金の優遇があります。
一括で受け取る場合は「退職所得控除」
年金のように分割で受け取る場合は「公的年金等控除」の対象になり、
どちらも一定額までは税金がかかりません。
ただし、会社の退職金と受け取り時期が重なると、
控除の枠を分け合うことになり、
結果的に税金がかかってしまう場合もあります。
受け取り方やタイミングまで含めて、
事前に確認しておく必要があります。

ogita
ogita

退職金と
同じタイミングだと、
控除がかぶる
イメージですね。

そのとおりです。
受け取る順番やタイミングをずらすだけで、
税金が変わることもあります。
これも申し込み前ではなく、
受け取り前に確認すべき項目です。

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加入区分によって、掛金の上限額が違う

iDeCoの掛金には、
毎月いくらまで積み立てられるか(上限額)が決められていますが、
この上限額は、国民年金の加入区分によって変わります。
自営業者など第1号被保険者は、
iDeCoと国民年金基金などを合算して、
月6.8万円までが目安です。
すでに国民年金基金に加入している場合は、その分だけiDeCoに回せる上限が下がります。
会社員・公務員など第2号被保険者は、
勤務先に企業年金制度があるかどうかで上限額が変わります。
企業年金がない会社員は月2.3万円が上限の目安です。
一方で、企業型DCや確定給付企業年金がある場合、
公務員を含めて上限は最大月2万円ですが、
会社側の年金制度の内容によっては、
実際の上限がさらに低くなることがあります。

seito
seito

なんで人によって
上限額が
違うんですか?

会社員や公務員には、
会社や組織を通じた
年金の上乗せ部分があります。
その分、iDeCoの枠は
低めに設定されているんです。

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株式会社代表・厚生年金加入者が確認すべきこと

ここで注意したいのが、
株式会社の代表者(役員)の扱いです。
「社長だから自営業と同じ」
と思われがちですが、
株式会社の役員でも、役員報酬を受けて厚生年金に加入している場合は、
原則として第2号被保険者として扱われます。
さらに、会社に企業型DCや確定給付企業年金などの企業年金制度があるかどうかでも、
上限額が変わります。
自分の会社にどんな年金制度があるかは、
総務担当や顧問の社会保険労務士に確認するのが確実です。

seito
seito

代表者って、
会社員と同じ扱いに
なるんですか?

ogita
ogita

厚生年金に加入している社長は
自営業ではなく、
会社員扱いなんですね。

そうですね、厚生年金に加入していれば、
会社員と同じ第2号被保険者です。
会社に企業年金があるかどうかで
上限額が変わるので、
確認が欠かせません。

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iDeCoの掛金は、全額が所得控除になる

iDeCoの掛金は、
全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれます。
たとえば毎月2万円、年間24万円を積み立てた場合、掛金の24万円が所得から差し引かれます。
所得税と住民税を合わせた税率が20%程度の人なら、年間約4.8万円、税負担が軽くなる計算です。
ただし、この節税効果は所得や税率によって変わります。
所得が高く税率が高い人ほど軽減額は大きくなり、
反対に専業主婦(夫)などそもそも所得税がかからない人には、
この控除の効果はありません。

ogita
ogita

僕は儲けより税が軽くなる方が
続けやすいです。

seito
seito

私は専業主婦だから、もしかしたらあまりここは関係ない?

そうですね、
もともと所得税がかからない人は、
控除そのものの効果がない点に
注意が必要です。

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口座管理費という、見落としやすいコストもある

節税効果ばかりに注目していると、
つい見落としがちなのが口座管理費です。
iDeCoには、加入時に国民年金基金連合会へ支払う費用として、2,829円がかかります。
また、掛金を納めるたびに105円の手数料がかかります。
これに加えて、運営管理機関や資産管理機関の手数料、
投資信託を選ぶ場合は信託報酬もかかるため、
金融機関ごとの費用を確認する必要があります。
掛金が少額だったり、
所得が少なく所得税・住民税の負担が小さかったりする場合は、
節税メリットが大きくならないことがあります。
手数料も含めて、
「自分の場合に年間どのくらい効果があるか」
を確認してから始めましょう。

seito
seito

えっ、口座を
維持するだけでも
お金がかかるんですか?

運営管理機関によって、
毎月の口座管理費は変わります。
掛金が少ないと、
節税額より手数料の方が
大きくなることもあるんです。

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商品は、投資信託と定期預金から選ぶ

前回お話したとおり、
iDeCoでは個別の株式を直接買うことはできません。
選べるのは、投資信託や、定期預金・保険商品などの元本確保型商品です。
あらかじめ用意された商品の中からです。
節税効果ばかりに気を取られて、
商品選びを後回しにしてしまうと、
「思っていたよりリスクが高い商品を選んでいた」
ということにもなりかねません。
掛金の上限額や所得控除と同じくらい、
商品選びにも目を向けておきましょう。

seito
seito

節税のことばかり
考えてましたけど、
商品選びも
大事なんですね。

はい、節税効果と
運用先は、
どちらも欠かさず
確認してください。

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制度改正は、必ず公式資料で最新確認する

ここまで紹介してきた上限額の目安は、
長く使われてきた数字であって、
そのまま今後も続くとは限りません。
実際、2024年12月には、
企業年金がある会社員や公務員を中心に、
掛金の上限額が見直されています。
iDeCoは今後も、
加入できる年齢や上限額が
制度改正によって変わる可能性があります。
申し込み前には、iDeCo公式サイトや厚生労働省、
国税庁などの公式資料
で、
必ず最新の金額を確認するようにしましょう。

ogita
ogita

上限額とかの制度って、
たまに変わる
イメージがあります。

たしかに制度はかわります。
実際に、掛金上限は
何度か変更されています。
申し込み前には、
必ず最新の金額を
確認してください。

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ogita
ogita

節税効果だけでなく、
自分の立場を
確認することが
大事なんですね。

次回は、iDeCoを受け取るときの選択肢について見ていきます。
一括で受け取るのか、年金として分けて受け取るのか、
退職金との関係はどう考えるのかを整理します。

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iDeCoは、節税効果だけで決めるものではなく、
自分の加入区分や掛金上限、手数料、商品選びまで確認して使う制度です。

次回は、iDeCoを受け取るときの選択肢について見ていきます。
一括で受け取るのか、年金として分けて受け取るのか、退職金との関係はどう考えるのかを整理します。

第3回 まとめ

  • iDeCoは原則60歳まで引き出せない、「老後専用の資金」
  • 掛金の上限額は、自営業・会社員・公務員などの加入区分によって変わる
  • 株式会社の代表者は厚生年金に加入する第2号被保険者になることが多く、会社員と同じ枠組みで確認が必要
  • 掛金は全額が所得控除になるが、節税効果は所得税率によって変わる
  • 口座管理費という見落としやすいコストもあり、節税額だけで判断すると損になる場合もある

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